泗川市 表敬訪問 2005年11月8日(火)〜10日(木)
今年の教科書採択にあたって、私たち「平和を考える市民の会」は、三次市と姉妹提携をし
ている泗川市から誠意と配慮をいただいた。6月9日に会員の塚本さんを泗川市を挙げて迎え て頂いき、また私たちの要請に応じて、6月25日の市民講座に宋昌燮(ソン・チャンソプ)さんを 市民代表としてお送りいただいたのである。しかし、それに対し、自治体訪問を申し入れた宋さ んに対する三次市の対応は礼を失したものであり、恥ずかしさと怒りをおぼえざるをえないも のだった。お礼とお詫び、そして教科書採択の結果の報告と、今自治体交流の中断の中で、 出来れば市民交流の手がかりをの思いを胸に訪韓した。
訪韓に先立って、交流中断になっている、三次市と泗川市の橋渡しとなればとの思いから、
三次市長のメッセージをという依頼をしたが、市長から「メッセージはない」との一言。しかし伊 達市議会議長からは泗川市長へ、「一日も早い、自治体交流を願っています」という口頭メッ セージを託された。
11月8日(火)
7:00三次中央病院駐車場集合・出発
8:30 広島空港(本郷)着
渡航手続き 9:20機内へ
9:30広島発
〜 ≪OZ161広島/ソウル便≫
11:10 仁川着
仁川〜ソウル12:40着
緒方義広氏と合流・昼食
●ソウル市内「西大門刑務所跡」見学
(独立記念館のミニ版)
―梨泰院ホテル泊―
○南大門市場にて買い物
11月9日(水)
ソウル市内〜金浦空港(地下鉄にて)
9:00金浦空港発
〜 ≪OZ8641便≫
10:00泗川空港着 空港から泗川市へ(タクシー、ワゴン車)
泗川空港に到着すると、泗川市役所の総務課庶務担当の崔さんがワゴン車で出迎えて下さ
っていた。そこで初めて私たちは、泗川市から公式に迎えられたということを知った。と、同時 に三次市から、「こんど訪ねる訪問団は公式訪問団ではない」という電話が掛かっていたことを 知らされ驚ろいたことである。
私たち市長との面談には時間があるということで、私たち一行は泗川の過去と現在を案内さ
れた。過去の泗川は、豊臣秀吉の時代の豊臣軍が城を築いた後や、その闘いで亡くなった朝 鮮軍の碑などを案内頂いた。
豊臣軍・船津里城跡
さらに現代の泗川では、航空宇宙博物館を案内してもらった。KAIという飛行機会社の工場
もあり、韓国の航空産業の研究所が集まっているという。博物館では、日本にも縁の深いB29 の実物も展示されていた。
航空宇宙博物館のB29
●15:00泗川市長へ表敬訪問(約1時間)
いよいよ今回の訪韓のメイン、金守英泗川市長への表敬訪問を行った。
「市民の会」から、これまでの誠意に対するお礼と三次市の対応の謝罪、さらに教科書採択
の報告を行った。
※金市長より「三次市へ交流再開を願っている」という口頭でのメッセージをあずかり、11月11
日(金)、伊達議長(直接)、吉岡市長(市長公室を通して)に伝えた。
市長室での懇談
泗川市役所前での記念撮影 向かって右手に、「平和を考える市民の会」歓迎の看板
副市長主催の歓迎会
金守英市長:右翼政治家の暗躍で「つくる会」の教科書採用が10%を越えるのではないかと憂
慮していた。6月、塚本さんが訪問したり、韓国の市民団体が訪日してその状況を詳しく報告い ただいた。結果は「つくる会」の教科書採択0.4%以下になったことはみなさんの活動によるも のと感謝とお礼を申し上げる。
今回は0.4%であったが、日本の総選挙で小泉政権が圧倒的な勝利をおさめた。これから軍
国主義政治、右翼的な勢力が力を増し、右傾化することを危惧している。私としては平和を考 える市民がいるかぎり、それを支援していく。これまでの活動に敬意を表するとともに今後の活 動に期待をしている。姉妹都市としてだけでなく、市民団体との交流を深めていくつもりであ る。
金市長:5月の市民文化祭に三次市長、議長を招待したが、急遽、竹島・教科書問題が発生し
招待中止の文書をだした。
総務課:経過説明
改めて10月開催(25-30)の航空博覧会に三次市長宛に招待状を発送したが、多忙を理由に
訪問を断ってきた。これで友好姉妹都市提携が発展するのだろうか?。
※泗川市からの招待状を三次市が断っていたことを私たち一行は全くしらなかった。表敬訪問
の中で、平岡議員が「自治体交流中止の原因は100%日本側にあります」とお詫びをされた が、中断の原因である「歴史教科書・靖国参拝問題・竹島(独島)」は日本の植民地政策に対 する反省が今日に至るまで成されて来なかった結果であることを心に留めなくてはならない。
※私たちが泗川市へ行く前に、「今度三次から訪ねる訪問団は公式訪問団ではない」という電話が、三次市から泗
川市 へかかっていたことをを知らされる場面もあり、一同びっくり。
金市長:今後も三次市との交流を深めていきたい。三次市長にも泗川市を訪問していただけ
るように連絡をした。民間交流として、スポーツ、市民運動等交流の輪が広がることを願ってい る。今後も市民レベルでの運動の交流には、泗川市が窓口になって支援していく。
※また金市長より、三次市の市長、市議会議長に、「一日も早い自治体交流の再開を願って
いる」というメッセージを伝えてほしいということでもあった。
●市民団体と友好交流・宋昌變さん再会
9日 全教組慶南支部泗川市支部を表敬訪問
宋:3泊4日の訪日で日本に親近感がわいた。小さな運動ではあるが、三次・庄原を訪問でき、
よい結果が出てよかった。強行日程であったが、よい結果が出てよかった。これも皆さんの運 動の成果であると思う。これを機会にさらに交流が深まればと思う。これからも歴史認識の共 有のため交流がふかまればよいと思う。 全教組慶南支部泗川市支部
9日:夜
泗川市李平式副市長主催の歓迎交流会を開いて頂いた
料理は刺身。それをコチジャンなどをつけ、野菜にまい
泗川市李平式副市長主催の歓迎交流会 て食べるというもの。
○泗川市は海を持つ町、漁業のさかんな町である。市場には 活魚や海産物が豊富で、おみ
やげの算段中。
泗川市の漁港の市場
○泗川市は宿泊ホテルとして、5つの橋がライトアップされる一等地のホテルを準備してくれて
いたが、事前に旅行社から別のホテルを予約していたので、キャンセルできず、一等地の眺 めは、次回訪問の楽しみにとっておくことに。 ライトアップされ た橋をバックに
11 月10日(木)
泗川市泗川 水石里2770
10:30泗川発 〜 ≪Oz8642便≫
11:30金浦〜ソウル
●ソウル「アジアの平和と歴史教育連帯(教科書運動本部)」訪問
張信さんと再会 −一緒に昼食−
張:とりあえず今回はうまくいった。しかし、小泉政権、亀井は健在であり、4年後、今回と同じ
状況になるのではないか。三次・庄原を訪問したのは初めてだが、我々の活動は当局に脅威 を与えたと思う。しかし、4年後は当局もさらなる対策を考えてくるので、さらに状況は厳しくなる と思われる。
本部でスタッフの人と記念撮影
○骨董市など見学
17:50ソウル発
〜≪OZ162便≫
19:15広島空港着 (入国手続き約30分)
30本郷出発〜21:00三次着
○韓国・泗川市を訪れ、真の交流のためにはどのように心を砕いていかなければならない か
多くのことを教えられた。6月に宋先生が三次を訪れた時の三次市の対応と、今回私 たちが 泗川市を訪れての歓迎は、恥ずかしさと同時に、そのように私たちを迎えてもら った懐の大 きさを思わざるをえない。
○今後の交流の方向性
こうした顔の見える関係になったことを生かし、過去にもキチンと向き合い、未来を見 据え
る市民交流のために、泗川市を窓口としながら、市民どうしの交流の手段を考え実 現してい きたい。
毎日新聞 05.11.15
9日市長表敬訪問の前の昼食を兼ねたミーティング
中国新聞 05.11.19
朝日新聞 05.11.16
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