2006年 月 日
三次市教育委員会
教育長 藤川 寿様
学力テストの公開を憂う親の会代表
小 武 正 教
三次市内で独自におこなう小学校・中学校の学力テストの平均点を、全市民配布の市広報
に掲載することは、2003年度より公開がはじめられました。そのことを知った私たち三次市内 の保護者は2003年6月に「学力テストの公開を憂う親の会」(以下親の会)を作り、保護者の署 名を集め提出しました。申し入れ書には「学校間の優劣に目が行き、子どもに必要のないプレ ッシャ−をかけるのでは」等6項目の心配事項をあげ、さらには非公開を望む親子の点数を加 えないでほしいと申し入れましたが、市当局は、「十分な配慮をする」といって公開を強行しまし た、
ところが、12月2日付け中国新聞であきらかになった「中学校の教務主任の答案改ざん」に
続いて、同じく中国新聞で12月7日には「小学校の校長、答案改ざん」、そして12月28日の中国 新聞では、学校で点数を上げるため「同一問題で事前模試」が行われていたと報道されていま す。
肝心なことは、こうした先生の不正にだけ目を奪われ、問題の大元のそれを生みだした「学
力テストの学校・学年別平均点の公開」にメスを入れることを忘れてはならないことです。しか しそういった中で尚かつ教育長は「(検査結果は)可能な限り公開したい」と答えたと新聞では 報じられています。「ここに至って、何をかいわんや」という思いです。
わたしたちは、だれもが子どもたちにしっかりとした学力をつけてほしいと思います。事前テ
ストを何回もやり、テストの点数のみを上げるための学習で、本当にしっかりとした学力がつく とはとても思えません。
学力テストの本来の目的は、子どもひとりひとりの課題を明らかにし、指導に役立てることに
あると思います。「公開」することが、その本来の目的を見失い、点数を上げることのみの競争 主義をあおりたてているだけであると思います。その観点に立ち、以下のことを要望します。
1.三次市公報への、学校別・学年別の公開を止めること。
2.「学力テストの改ざん」問題の経過や要因等の分析・改善計画等を全市民に明らかに
すること。
連絡先:「学力テスト」の公開を憂う会
代 表 小武 正教 三次市東河内町237 電・FAX0824-63-8042
事務局 新田 真一 三次市粟屋町2343−1三次教育会館内 電0824-62-0663
※2006年2月末までに集約してあつめたいと思います。
2005年12月2日
三次市教育委員会
教育長 藤川 寿様
学力テストの公開を憂う親の会代表
小 武 正 教
12月2日付けの新聞報道(中国新聞)により、「三次市内の全小中学校が4月に実施した学力
到達度検査で中学校に不適切な対応があった」内容が詳細に報道され、心配していたことが ついに起きたと大変残念な思いでいっぱいです。
私たち「『学力テスト』の公開を憂う親の会」は2003年6月に「学力テスト」の結果が、市内全体
に公開されることについて、「学校別に公開されるということですが、テストそれも国語・算数の 点数によって、学校の優劣の意識が、保護者・子ども・地域に生まれはしないでしょうか。」と疑 問を投げかけ、保護者の公開反対署名を提出しました。しかし教育長は「そうしたことのないよ うに細心の注意をはらう」と言って、以来3年間、市広報や市のホームページで公開を続けてこ られました。
この3年間、問題こそ表面化していませんが、「自分の学校の点数が昨年より市内の中で上
がってよかった」等々、「学力テストの公開」が学校現場の評価の対象となっている状況を知ら される挨拶を何度か耳にするようになりました。先生方が子どもたちに学力をつける努力をし て下さることに感謝しつつも、それを「公開」することは、本来の目的とやはり主旨が違ってしま うということを、今回の出来事は証明したのではないでしょうか。「公開」によってプレッシャーを 受けるのは、子どもたちのみならず、先生でもあることがハッキリと致しました。まさにそれが 今回の出来事の背景であると思います。
教育という人を育てることを担当するに当たっては、公衆の面前に晒すという荒っぽいやり方
ではなく、もう少し一人ひとりを大切にする配慮が必要であると思います。
この度の出来事は、一人の先生の不心得ということではなく、そうした出来事を生み出す背
景、「学力テストの公開」が一番の問題であります。今回の出来事を教訓に、「学力テスト」の公 開を辞められるよう、申し入れをさせていただきます。
以 上
2005年12月28日
三次市教育委員会
教育長 藤川 寿様
学力テストの公開を憂う親の会代表
小 武 正 教
学力テストの学校・学年別平均点の公開に関する教育長・教育委員会の対応は非教育
的な姿勢に終始しており、強く抗議します。
そして、再度、学校別の学力テスト平均点を非公開とすることを強く求めます。
12月2日付け中国新聞であきらかになった「中学校の教務主任の答案改竄」に続いて、同じく
中国新聞で12月7日には「小学校の校長、答案改竄」、そして12月28日の中国新聞では、学校 で点数を上げるため「同一問題で事前模試」が行われていたと報道されています。12月市議会 で竹原議員は「40%以上の学校が事前のテストのためのテストを行っている」と質問をしていま したが、それが明るみに出たということでしょう。
さらには、三次市教育委員会はその事実を6月に確認しながら、9月の市議会の質問で教育
長は「改竄はない」と虚偽の答弁を述べ、その後の新聞発表によって虚偽答弁が発覚すると いう事態にいたっては、教育長をはじめ教育委員会そのものが非教育的姿勢を暴露したと私 たちは考えます。
三次市内で独自におこなう小学校・中学校の学力テストの平均点を、全市民配布の市広報
に掲載することは、2003年度より公開がはじめられました。そのことを知った私たち三次市内 の保護者は2003年6月に「学力テストの公開を憂う親の会」(以下親の会)を作り、保護者の署 名を集め提出しました。申し入れ書には「学校間の優劣に目がいき、子どもに必要のないプレ ッシャーをかけるのでは」等6項目の心配事項をあげ、さらには非公開を望む親子の点数を加 えないでほしいと申し入れましたが、市当局は、「十分な配慮をする」といって公開を強行しまし た。そして、あろうことかその夏の市政懇談会で、署名提出者の職業をしらべ、「署名は先生 が何割」「市の職員が何割」という喋るという馬脚を現し、私たちから徹底抗議を受けるという 過去があります。
私たち「親の会」にも学力テストの実施に際して、平均点をあげるために色々なことが行われ
ていることは洩れ伝わってはきていた。それが、今回一気に表面化したということだと思ってい ます。
肝心なことは、こうした先生の不正にだけ目を奪われ、問題の大元のそれを生みだした「学
力テストの学校・学年別平均点の公開」にメスを入れることを忘れて我ならないことです。しか しそういった中で尚かつ教育長は「(検査結果は)可能な限り公開したい」と答えたと新聞では 報じられています。「ここに到って、何をかいわんや」という思いであります。
ハッキリ言って三次市のトップはもちろん、教育行政を行っている人たちも、一方で「学力向
上」の競争主義の鞭をふりあげ先生・生徒を駆り立てておきながら、建前だけ「特色ある学校」 と耳触りのいい詭弁を使い、力の論理で押し通すやり方は、最も非教育的な姿を今子どもの 前に晒していることが分からなくなってしまっているようにおもわれます。すみやかに、こうした 非教育的姿勢を改め、学力テストの学校・学年別の平均点の公開を来年度は止めることを、 12月2日続き再度強く申し入れるものです。
以 上
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