【9月 3日(土)】宗門校 武蔵野女子学院中 扶桑社を採択
〈産経新聞より転載〉
公民の教科書 扶桑社を採択 武蔵野女子学院中
東京都西東京市の武蔵野女子学院中が来春から使用する公民教科書として、新しい歴史教
科書をつくる会のメンバーらが執筆した扶桑社の教科書を採択したことが1日、分かった。来 年度に公民を学ぶ3年生は約200人。扶桑社の公民教科書は今年度、 栃木県大田原市立 中や東京都立ろう・養護学校、玉川学園中(東京都町田市)、日大三中(同)、清風中(大阪市 天王寺区)などで採択された。
知人のホームページ(産経新聞)から、 本願寺宗門校・武蔵野女子学院中が公民の教科書
に扶桑社を採択したことを知り驚愕した。
私もさっそく質問と抗議のメールを送りたいと思う。
【9月3日】メールにて送った「質問のこと
質問の事
1.この度の中学校教科書採択において、なぜ「扶桑社・公民」を採択された
のか、親鸞聖人の建学の精神と矛盾をしないのか、お答えください。
9月2日づけの産経新聞にて、貴校が来年度の教科書採択において、扶桑社の公民教科書
を採択されたということを知り驚きを禁じえません。
私は浄土真宗本願寺の一カ寺の住職であるとし同時に、靖国問題を約二十年、地元や教団
で問い続けてきた「備後・靖国問題を考える念仏者の会」の事務局長をしております。
扶桑社の公民の教科書は、「わが国のこころと伝統」ということで、「神道」を前面に押し出
し、個人よりも「家族」「国家」の価値観を前面に打ち出し、男女共同参画に逆行する考えが強 く打ち出されたものです。それは、現行・教育基本法や日本国憲法の改悪を先取りする内容と いってもいいと言えるでしょう。
武蔵野女学院は本願寺の宗門立校として親鸞聖人の教えを建学の精神としているはずであ
ります。この度の中学校教科書採択にあたって、扶桑社の公民教科書が、どういう選定基準で えらばれたのか、建学の精神はそこにどう反映しているのかお尋ねさせていただきます。
文書にて回答下さい。
2005.9.3
728−0003 広島県三次市東河内町237
西善寺住職 小武正教
【9月30日】
再度の質問(公開質問状)
2005年9月30日
中学・高等学校校長 田中教照様
備後・靖国問題を考える念仏者の会事務局長
備後教区・三次組西善寺住職 小武正教
東京都西東京市の武蔵野女子学院中が来春から使用する公民教科書として、新しい歴史
教科書をつくる会のメンバーらが執筆した扶桑社の教科書を採択したことが1日公となり、私 は3日にしり大変驚きました。
すぐに武蔵野女子学院のホームページより、以下の質問のことをメールにておくり、返事を待
っておりました。10日たっても返事が返ってこないため、武蔵野女学院に直接電話をすると、メ ールは確かにうけとっていますが、今担当者がいないとのこと。返事がくるものと待っていまし たが月末(9月30日)になっても返事がないので、再び学校に連絡を入れると、教頭先生が「校 長が父兄(ママ)以外には返事をする必要がない」と木で鼻を括ったような返事が返ってきまし た。
本願寺宗門立の学校で作る、龍谷学園のメンバーであり、なによりも親鸞聖人の精神を学
園の理念とされている、武蔵野女学院が、なぜ扶桑社の「公民」の教科書を採択されるのか。 保護者ではなくても、親鸞聖人の教えに生きんとする一僧侶として、よそ事として見過ごすこと は出来ません。特に私自身、今年の夏に扶桑社の歴史・公民の不採択を地元で運動したもの として、宗門関係の学校の中から採択することが出ることは驚天動地のことであります。以下 の様な内容をもつ扶桑社の「公民」教科書が、「御同朋・御同行」の精神を掲げる親鸞聖人の 教え、親鸞精神と全く相容れないものと私は考えています。
この度の中学校教科書採択において、なぜ扶桑社の「公民」を採択されたのか、@A
Bの内容を持つ扶桑社の「公民」教科書は、親鸞聖人のご精神と矛盾をすると私は考えま
す。採択の理由をお答え下さい。
@扶桑社の「公民」教科書は、「わが国のこころと伝統」としてその中心に神道・神社が置か
れている。 (神道の関連の写真が半数をしめます)
A扶桑社の「公民」教科書は、個人の自覚より、家族が全面に打ち出されている。
B扶桑社の「公民」の教科書は、「行きすぎた平等意識は社会を混乱させ、個性を奪ってしま
う」(頁82)と「男らしさ・女らしさ」という日本の「伝統的価値観」が打ち 出されている。
いかなる理由で選択されたのか、不思議でなりません。
学校は社会的に大きな存在であり、「父兄(ママ)以外に答える必要はない」というような返事
ではすむものではありません。
ここに公開質問状として、送らせて頂きます。10月15日までにご返事をお願いします。
尚、「再度のご質問」は私が事務局長をしております備後・靖国問題を考える念仏者の会とし
て、この問題を取り上げる意味で、会の事務局長としての立場でも出させていただきました。
【10月22日】
2005年10月22日
武蔵野女子学院中学校
学校長 田中教照
備後・靖国問題を考える念仏者の会事務局長
備後教区・三次組西善寺住職 小武正教殿
冠省 貴殿の「再度の質問(公開質問状)」拝受いたしました。回答がおくれましたことを心よ
りお詫びいたします。
貴殿よりおたずねの件ですが、来年度の教科書選定にあたっては社会科の担当教員が複
数の教科書を比較検討のうえ、適切と判断し、それを校長に報告しました。校長は教科担当 者の判断を尊重し、許可を与えました。本校の教員は、これまでも、親鸞聖人のみ教えを尊重 し、教育に専念してきており、今後も、ひきつづき、聖人のみ教えを仰ぎ、使命を果たしてくれ るものと確信しております。わたくしどもも、この点について、これまでどおり、十分配慮し、指 導するつもりでおりますので、ご理解を賜りますよう御願い申しあげます。
草々
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