今年2005年は2006年から使用される中学校教科書が採択される年です。4月に教科書
検定が終わり、「つくる会」の歴史・公民教科書が検定を通過しました。7月中下旬には、広島
県下において、24の採択地区ごとに各市町教育委員会が採択し、東広島の広島県立中学校
(中高一貫校)の教科書を県教委が採択する予定となっています。
歴史を歪曲し、改憲を押し進める「つくる会」の歴史・公民教科書を広島県内で採択させない
ために、各市町教育委員会及び広島県教育委員会宛にみなさんの声を届けるためのもので
す。
一人でも多くの人に賛同人になっていただきたいのです。
呼びかけ人、賛同人を一覧にして、各教育委員会あてに提出し、また記者会見等で公表しま
す。
個人賛同の形式にし、肩書きものせる予定です。肩書きについて公表をひかえる場合はそ
の
旨お知らせ下さい。お名前の公表も難しい場合は、賛同の意志をお伝えくだされば「匿名○
名」
という形で掲載する予定です。
ぜひ、ご協力お願いします。
ご賛同いただける方は、お名前(公表の可否)、肩書き(公表の可否)、連絡先を柴田まで
お送りください。moyuru@ruby.ocn.ne.jp
最終締め切り 7月2日(土)
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【以下アピール文】
共同アピール
2005年中学校教科書採択の夏がやってきます。
今年は中学校教科書の採択が全国で一斉に行われます。4年前の2001年、日本国内ば
かりかアジア諸国から厳しい批判を浴びた「新しい歴史教科書をつくる会」(以下「つくる会」)の 扶桑社版歴史・公民教科書は事実上ゼロ採択に終わりました。しかし地方自治体の首長や国 会議員、地方議員を巻き込んで、「つくる会」教科書が採択されるよう露骨な圧力をかけていま す。広島でも広島県教育委員会が「つくる会」教科書の宣伝資料を市町教委の指導主事に対 し配布し、不公正な採択をすすめているという事実が明らかになりました。これは教育への不 当な介入であり、許すことのできない行為です。
被爆60年を迎えるヒロシマで、歴史をねじ曲げ、戦争を賛美する教科書を子どもたち
に手渡すわけにはいきません。
4月5日、文部科学省は教科書の検定合格を発表しました。報道によると、扶桑社の教科書
には歴史124ヶ所、公民75ヶ所の検定意見がつき、申請した8社中最多でした。「つくる会」 教科書検定合格は、韓国・中国はじめアジア諸国から激しい批判と不信感を招いています。改 訂版は相変わらず歴史を歪曲し、日本の侵略戦争や植民地支配を正当化する戦争賛美の教 科書となっています。部分的にはより悪質な内容に改訂されています。
■歴史教科書では・・・・・・
日本軍「慰安婦」の史実を無視し、南京大虐殺については否定論の立場をあえて記述してい
ます。
日本の加害の歴史についてほとんど触れないだけでなく、日本が受けた戦争被害についても
ほとんど記述していません。驚くべき事に広島・長崎への原爆投下についても「投下した」のほ んの一言だ
けで、被害の実相は一切記述されていません。戦争で被害を受けたアジアや日本の民衆の痛
み、悲しみ、苦しみを子どもたちに伝える意図が全くない教科書です。
また、今回の改訂では国家と天皇を中心に描き、民衆の歴史はほとんど取り上げていませ
ん。戦前・戦中の国定教科書「国史」と同じ「皇国史観」というべき内容が強調されています。国 家・天皇のために尽くす人間になることを学ばせようとしています。一方で韓国や中国などアジ ア諸国の歴史を根拠なく侮蔑的に記述し、あまりにも自国中心的な歴史を植え付けようとして います。このような内容では、アジアや世界の人々と共に歩んでいける子どもは育ちません。
■公民教科書では・・・・・・
他国と対立している領土問題を、巻頭グラビアであえて取り上げ、他国の脅威を煽っていま
す。そのことにより軍事力の必要性を強調し、自衛隊の海外派兵を全面的に肯定していま す。
また、現在の憲法を押しつけられたものとして批判し、憲法「改正」を強くすすめる内容となっ
ています。一方、天皇主権の国家体制をつくり、国民の自由を奪い人権を抑圧した大日本帝 国憲法や教育勅語を礼賛しています。個人よりも国家を優先させ、個人は国家に忠誠を尽くす 存在であるという、まるで戦前の教育と同じような内容です。そのために「日の丸・君が代」が 随所で強調されています。
またジェンダー・フリーや男女共同参画社会を家族や伝統的価値観を破壊するものとして敵
視する内容になっています。子どもや女性、お年寄りや社会的弱者、在日外国人をはじめとし たマイノリティーについてはかなり冷ややかな扱いです。
歴史教科書で日本の過去の戦争や植民地支配を正当化し、公民教科書でいま日本が
行っている戦争(イラク侵略戦争への参加)を正当化し、日本が「戦争をする国」になるこ とをめざしているのが「つくる会」教科書です。
そして、子どもたちを戦争へと動員できるよう、そのための憲法改悪を公然と推し進め
る内容になっています。まさに憲法・教育基本法違反の教科書なのです。
教科書問題は「つくる会」教科書だけの問題ではありません。他社の教科書にも記述の後退
や、改悪が見られます。文部科学省による検定制度そのものの問題もあります。
正しい戦争なんてありません。
戦争とは人殺しです。殺戮です。最大の環境破壊です。
二度と過ちを繰り返さないために
未来をアジアの人々、世界の人々と共に生きる子どもたちのために
被爆60年を迎えるこの夏、私たちは広島で「つくる会」教科書を採択しないよう、強く
求めます。
【呼びかけ団体】 2005年教科書採択問題・広島県民ネットワーク
事務局:廿日市市平良山手7-16 TEL0829-31-0876(柴田もゆる)
【呼びかけ人/6月6日現在】 足立修一(弁護士)、嘉指信雄(NO DU ヒロシマ・プロジェク
ト)、小森陽一(東京大学教授)、信楽峻麿(元龍谷大学教授)、高田 健(国際経済研究所)、 武田隆雄(日本山妙法寺)、土井登美江(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、冨山洋子(日本 消費者連盟)、野田正彰(関西学院大学教授)、三末篤實(カトリック広島教区司教)、森島吉 美(広島修道大学教授)、森瀧春子(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会)、湯浅一郎(ピースリ ンク広島・呉・岩国)、横原由紀夫(有事立法はイケン(違憲)!広島県市民連絡会)
【賛同者】 ここに公表可としてくださった方のお名前をいれます。
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事務局:
柴田もゆる(日本基督教団廿日市教会)
〒738-0027 廿日市市平良山手7-16
TEL&FAX 0829-31-0876
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