◇対談相手
関西学院大学教授
野田正彰 さん
真宗遺族会事務局長.大阪靖国訴訟原告団長
浄土真宗本願寺派正蔵坊住職
菅原龍憲 さん
対談者
小森龍邦 さん
コーディネーター 小森龍邦さんの対談を聞く会事務局
藤井聡之 さん
◇日 時 2005年6月11日(土)PM14:00~17:00
◇場 所 福山市人権交流センター
福山市佐波町262-3 0849-51-5700
◇参加費 1500円
◎主 催 「小森龍邦さんの対談を聞く会」
※呼びかけ人
代表 信楽峻麿
浄土真宗本願寺派(安芸)藤澤桂珠・谷下左近・沖 和史・岡部宗雄・近藤一也・菅瀬融爾・満井秀城・圓山龍渓・
城山大賢・武田敏弘・岩崎智寧/(備後)佐々木至成・原田淳誠・田坂英俊・季平恵海・真澄瑛智・竹政信隆・季平 博昭・藤井宜之・毛利慶典・深水純司・山名孝彰・武田哲也・渡辺義宣・池田静思・栗原尚道・季平博道・/(山陰) 菅原龍憲・朝枝実明・川本義昭・早川顕之・菅和順・田中宣隆/(山口)嘉屋英嗣・長岡裕之・吉田龍昭/(四州)随 行未千/日本キリスト教団 東岡山治/真宗大谷派 長坂公一・中山道
◎協賛団体 同朋三者懇話会(浄土真宗本願寺派安芸教区・浄土真宗本願寺派備後教区・部落解放同盟広島県
連合会)/同和問題に取り組む広島県宗教教団連絡会議/真宗大谷派山陽教区同和協議会/広島部落解放研 究所宗教部会/小森たつくにさんを励ます宗教者の会
(事務局) 〒731-3352 広島市安佐北区安佐町大字後山250-1 藤井聡之 082-838-1032
〒728-0003 広島県三次市東河内町237 小武正教 0824-63-8042
(Homepage http://www.saizenji.com/page107.html)
(対談呼びかけの主旨)
今わたしたちは、それぞれの思想・信条、そして信仰にもとづいて、教育基本法改悪反対、
憲法改悪反対の活動をつづけている。そしてまさにここ数年が、歴史の分かれ目となるであろ う。万が一この活動が実を結ばなかったとすれば、凄まじい荒廃した社会が現出するだろう。
しかし、「平和と平等」を実現しようとする声は、今やギリギリの所までおいこまれているのも
事実である。それは決して法的に「戦争の出来る普通の国」へと準備が整ってきたということの みをいうのではない。「平和と平等」を求める根拠、つまり「個の尊厳を侵されてはならない」と する私たちの意志を、今この時に表出出来ないことこそが最も大きな危機なのである。
国家は今再びその正体を顕わにして、あの手・この手、「飴と鞭」で個人を国家権力の名の
下に取り込もうとしている。一昔前は一見リベラルと見えた人たちが、我も我もと国家になび き、そのお先棒を担いでいる。宗教者とて決してその枠外ではない。
今この国も世界も急速に上意下達・上命下服が大手を振ってまかり通る社会へ向かってい
る。権力の命令に従うことによって自己の保身を図り自己の利益のみを守る中で失っていくも のは何か・・・・。その先には何が待っているのか・・・・。すでにそこには「しかたがなかった」と つぶやいた戦前を生きた人たちの精神をすでに先取りしている姿がありはしないか。
今新たな戦前への最後の曲がり角にさしあたっても、「無関心」という層が多数をしめる。政
府そしてメディアの戦略のなさしめたものでもあろうし、正面から向き合えば自らの生き方がヒ リヒリと問われるような問題を無意識に避けているということでもあろう。いや、改悪を問おうと する私たち自身へも同じようにその甘美な痺れは容赦なく襲いかかり、精神を頽廃へと誘う。
今この状況なればこそ、「屈せざる魂」を獲得しなければならない。しかしその魂は、誰かに
あたえられるものでも初めから存在するものでもない。まさに今、この改悪の流れをストップさ せるために、自ら行動する中で獲得していくものである。
その自立と自律の歩みを学ぶという意味で、第4回小森龍邦さんの対談を聞く会では、小森
龍邦さんに、野田正彰さんと菅原龍憲さんのお二人と鼎談していただくことを計画した。
(対談者のお二人より 一言)
この皇国に暮らしていると、歴史も、社会も、日本列島で完結しているように思い込ん
でしまいます。そう思い込んだ天皇主義者たちが、二千万人を超すアジアの人々と三百万
人をはるかに超す日本の人々わ殺しました。これらの人々の犠牲の上に、私たちの社会が
あります。この自覚こそが、アジアの歴史と近現代の社会への開かれた思考をもたらすの
です。 (野田正彰)
国家というものの価値のもとに、それぞれの個人が従属してしまうような、そういう精
神土壌がすでに国民のうえに広がっている。「支配権力とは民衆の実態が映し出された影
にしかすぎない」(田川建三)とすれば、国家とともにその国家支配の構造を無自覚に支
え続けている国民の存在とその意識がきびしく問われねばならない。
(菅原龍憲)
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