大韓民国・慶尚南道 泗川市
市長金守英様

                                        
韓日の市民の友好・連帯のために
−呼びかけに応えて−

拝啓
 
  戦後60年を迎えた今年2005年、私たち「平和を考える市民の会・三次」と市民の会主催の市
民講座「 2005年 教科書採択について」の参加者一同は、金守英市長様と泗川市の皆様に
両国の過去の歴史を踏まえた、真の友好と連帯の呼びかけをさせて頂きたいと思います。
 
 今、日本と韓国との間には、日本の36年間の植民地統治という歴史があり、強制連行・強制
労働、性奴隷「慰安婦」問題など、戦後60年たっても解決していない問題が横たわっています。
 さらには、小泉総理大臣の靖国神社参拝や大臣などのアジアへの侵略戦争を肯定し、歴史
の事実を歪曲する発言について、私たち日本の市民は、韓国やアジアの皆さまに対して、その
ような発言や行動を許していることに誠に申し訳なく思っております。

 さて、このたび5月初めに予定されておりました、三次市と姉妹都市であります泗川市の合併
十周年の記念行事に「独島や歴史教科書、一部勢力の妄言により反日感情が強くなったた
め」に「三次市の関係者を招待しない」(中国新聞4月15日)とのことを知りました。市民の一人
として、誠に残念に思わざるを得ません。
 
  私たちは、韓日の真の友好は、日本の過去の植民地政策を正面から踏まえた、取り組みと
歴史への認識が土台にあってはじめて可能であると思っています。その意味で、「侵略戦争を
アジアの解放戦争であり」「韓国併合を正当である」等とする歴史教科書を国の検定が認めた
ことは、日韓の友好関係を閉ざしてしまう行為であり、1982年に政府が出した「近隣のアジア諸
国との間の近現代史の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がな
されていること」(「近隣諸国条項」)も踏みにじったものです。また韓日の間で今新たに持ち上
がった「独島」の問題も、両国の歴史を踏まえて作られる友好的な対話の中で進められるべき
だと考えております。

  私たち「平和を考える市民の会・三次」の中には、日本に強制連行・強制労働をさせらた朝鮮
人の調査と遺骨の発掘をしてきた「高暮ダム強制連行調査する会」も参画しており、一昨年
は、天安の望郷の丘に、遺骨の返還と「謝罪碑」の建立を行い、「平和を考える市民の会」も全
面的に支援してきました。

  私たち、平和を考える市民の会と、「市民講座 2005年教科書採択について」の参加者一同
は、この度の泗川市からの三次市への招待中止をただ残念に思うだけではなく、この出来事
を今後のより深い友好関係へ発展する新たなスタートとなるように、この三次の地で活動を続
けていくことをお伝えし、「(問題解決に向け)三次市の市民が先頭に立ってほしい」(中国新聞
4月15日)という呼びかけにお応えしていきたいと思っています。
     敬 具

                               2005年4月25日
  「平和を考える市民の会・三次」
  「市民講座 2005年度 教科書採択について 参加者一同

  平和を考える市民の会 代表
            大森俊和・小武正教
                   事務局  
                    728-0003 広島県三次市東河内町237
                    (電・FAX)0824-63-8042


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