| 宗制寺法 （明治19年1月） 第一章 宗祖見真大師大無量壽経ニ依テ一宗ヲ開キ之ヲ浄土真宗ト名ク 其要義載セテ教行信證文類ニアリ 第二章 一宗ノ教旨ハ佛号ヲ聞信シテ大悲ヲ念報スル之ヲ真諦ト云ヒ人 道ヲ履行シ王法ヲ遵守スル之ヲ俗諦ト云フ是即チ他力ノ安心ニ住 シ報恩ノ経営ヲナスモノナレハ之ヲ二諦相資ノ妙旨トス 第三章 一宗ノ本尊ハ阿弥陀如来一佛トスコレ一向専念ノ宗義ニ拠ル故 ニ自余ノ諸仏菩薩及ヒ神明ヲ奉安セス然レドモ之ヲ尊敬シテ軽蔑ス ヘカラサルコトハ宗祖以来ノ垂訓ニアリ但聖徳太子七高僧宗祖大 師及ヒ歴代宗主ノ影像ヲ安置スルモノハ一宗弘通ノ恩謝センカ為メ ノミ 第四章 本宗所依ノ経論釈左ノ如シ 三部経 大無量壽経一 康僧鎧訳 観無量寿経 ■良耶舎訳（■=「僵」の人偏を除く） 阿弥陀経 鳩摩羅什訳 七高僧ノ論釈章疏 十住毘婆沙論 龍樹菩薩造 浄土論 天親菩薩造 同 註 曇鸞作 讃阿弥陀仏偈 同 作 安楽集 道綽作 観経疏 善導作 往生礼讃 同 作 法事讃 同 作 般舟讃 同 作 観念法門 同 作 往生要集 源信作 選択集 源空作 宗祖撰述 教行信証 浄土文類聚鈔 愚禿鈔 入出二門偈 三経往生文類 尊号真像銘文 一念多念証文 唯信鈔文意 浄土和讃 高僧和讃 正像末和讃 此他歴代宗主著述教書勧章数十部有リ書木略之 第五章 本宗平素ノ勤行例年ノ法要年忌及ヒ葬送ノ儀式等具略軽重アリ ト雖モ要ハ皆報恩ノ誠ヲ尽くスニアリ 第六章 得度ハ佛門ノ通規ニシテ出俗入真ノ法式ナリ本宗ニ於テハ要ハ 師弟ノ約ヲ定ムルニアリ 第七章 帰敬式ハ本宗帰向男女ノ請ニ応シテ之ヲ行フモノトス 第八章 本宗ノ学科タル専門普通ノ二アリテ正依ノ経論疏章ヲ研究スルヲ 専門正科トシ諸余ノ経論釈ヲ兼修スルヲ専門兼科トシ世間諸科ノ学 ヲ講習スルヲ普通科トスコレ皆報恩ノ経営布教ノ作用ニ供スルニア リ 第九章 本宗ノ僧侶ハ持戒ノ威儀ヲ標セス其相在家ニ似同スト雖モ已ニ 名ヲ佛弟子ニカケ職ヲ化他ニ任スルトキハ殊ニ品行整粛他ノ模範ト ナランコトヲ要セシム 第十章 本宗ノ行者ハ報恩ノ心ヲ以テ職務ヲ勉励シ躬行実践自他ヲ双益 ス故ニ福利ヲ禁厭祈攬■ノ法規ニ求ムルカ如キハ本宗ノ禁シテ許 サザル所ナリ 第十一章 宗意安心ノ正不ヲ判決スルハ傳燈法主ノ職任ナリ故ニ末徒ニシ テ毫モ師教ニ違反スルコトヲ得ス ○附録 宗祖見真大師大無量壽経ニ依テ浄土真宗ヲ開キ遍ク都鄙ヲ化 益ス大師没後十一年亀山天皇文永九年季女覚信孫如信等ト共ニ 仏閣ヲ吉水ノ北邊大谷宗祖墳墓ノ側ニ創シ大師ノ真影ヲ安ス是歳 朝廷久遠実成阿弥陀本願寺ノ号ヲ賜ヒ勅願所トス略シテ本願寺ト 云弘安三年覚信大谷事務ヲ如信ニ附シ且ツ書ヲ門弟等ニ貽リ永ク 大師ノ系統ヲ以テ相承スヘキ旨ヲ戒約ス爾来諸所ニ移転シ天正十 九年遂ニ寺基ヲ京都堀川ニ定ム連綿相承以テ今日ニ至ル其傳燈 如左 宗祖親鸞 姓藤原氏皇太后宮大進有範之子承安三年四月塑（土なし）日生 年甫九歳青蓮院慈圓ノ室ニ入リ得度シ範宴ト称イ爾来専ラ天台ノ 教観ヲ学ヒ兼テ諸宗ノ奥願ヲ究ム二十九歳吉水源空ニ謁シ専修念 仏ノ門ニ入リ名ヲ 綽空ト更ム実ニ建仁元年成元久二年源空所選ノ 選択集ヲ受ケ又請テ其真影ヲ寫ス源空親ヲ銘ヲ書シテ之ヲ授ク此 時名ヲ善信ト改ム承元元年二月叡山南都ノ僧侶源空ヲ誣奏スルニ 坐シ越後ニ配セラル後自ラ愚禿ト号シ親鸞ト更名ス建暦元年十一 月勅免ヲ蒙リ遍ク東北諸州ニ遊化ス順徳天皇嘗テ其教ヲ檀（木扁 なし）ケ深ク其徳ニ帰シタマフト云元仁元年常州稲田ニ在テ教行信 証文類ヲ作リ浄土真宗ヲ開閲ス晩ニ京ニ帰リ所々ニ寓居ス弘長二 年十一月二十八日善法院ニ寂ス壽九十東由延仁寺ニ荼毘シ遺骨 ヲ大谷ニ蔵ス明治九年勅シ見真大師ト諡ス 第二世如信 第三世宗昭 称覚如 第四世俊玄 称善如 第五世時藝 称綽如 第六世玄康 釈巧如 第七世圓兼 釈存如 第八世兼壽 釈蓮如 明治十五年勅シテ慧燈大師ト諡ス 第九世光兼 釈実如 第十世光教 釈証如 第十一世光佐 釈顕如 第十二世光昭 釈准如 第十三世光圓 釈良如 第十四世光常 釈寂如 第十五世光澄 釈住如 第十六世光啓 釈湛如 第十七世光閘 釈如法 第十八世光■ 釈文如 第十九世光攝 釈本如 第二十世光澤 釈廣如 第二十一世光尊 釈明如 |
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