三次市では、第一段の学力テストの各学校・各学年の平均点を三次市広報へ公開し、第二
段として各中学校へ「習熟度別授業」、それに続いて第三段の「中学校区の自由化」を来年度 から実施することを打ち出し、9月末に配布しています。しかしそこに書かれているのは各学校 の特色といっても、「豊かな心を育てる」とか「生徒に確かな学力をつける」とか、どこでも当然 行ってもらわなくては困る取り組みばかり。部活動の内容が書かれていますが、どんな部があ るか並べてあるだけです。
何を目的に中学校区を自由化するのか目的が書いてありません。
11月1日に教育委員会に下記の申し入れ書をもって行き尋ねてみました。「何のために学
区を自由化されるんですか」と。学校教育課のチーフマネージャーが「何のためといわれて も・・・行政職員がこれでは申し訳ないんですが」と答えがないわけです。「これだけ大きな変革 をしようというのに、目的がハッキリしない説明できないということはないでしょう」と重ねて質問 しましたが、返事はありません。
語れないとうことは、本当に分からないのか、分かっていても本音を言うことが出来ないのか
のどちらかでしかありません。
各学校の要望があれば、教育委員会から出向くということですが、これでは何を願って教育
行政が進められているのか聞きようがないかと思わざるを得ません。行っている当人が答えら れないわけですから。組織に血(願い)が通っていないとはこのことをいうのでしょう。
とんでもない状況が進行していることを痛感させられました。
2004年11月1日
三次市教育長
藤川 寿様
河内小学校6年保護者
小武 正教
三次市においては、来年度より中学校区を自由化することが実施されると聞きました。学校
よりA3一枚裏表に印刷された新三次市の中学校の部活・特色ある取り組みという内容の紙を 9月末子どもが持ってかえってきました。11月1日から12月15日までに提出しなさいと書かれて います。また広報三次10月号にも同趣旨のことが4頁にわたって掲載されていました。しか し、学区の自由化ということは大変大きな変革ですので、直接、子どもや保護者にも説明が当 然なされるだろうと思っておりましたが、募集開始の11月になってその声が聞かれません。
また私の河内小学校からは、「単位PTA重点要望書」に「市内中学校区の自由化に関して
・単位PTAごとに丁寧に説明会を持ってほしい 来年度のことなので取り分け6年生の保護 者にとって関心が高い」と提出したのに何の返事もなされていません。
同じように来年度から中学校区を自由化する予定の広島市の状況が何度が新聞に掲載さ
れています。広島市では説明会をおこなったにもかかわらず、「「風評が基準に」懸念の声」 「市教委ガイドや説明会 分かりづらい各校特徴」(2004.9.21 中国新聞)、「中学校選択制 6 校が人数超過 21校が5人以下」(2004.10.22 中国新聞)と問題が起きていることが報道され ています。
三次市では、広島市のような説明会もなされず、もっと一方的に進められているように思わ
れます。三次市ではこれまでも一方的に学力テストの市広報への公開を、保護者への了解も 相談もなく、反対の意見を押し切って進められてきました。こうした、教育行政の進め方そのも のが非教育的なものではないかと私は思わざるをえません。
学区自由化の先にあるものは何だろうか、弱肉強食の競争原理を公立学校にそのまま当て
はめることになりはしないかと、子を持つ親として大変心配をしています。誰もが切り捨てられ ることのない、一人ひとりがその尊厳を大切にされながら、その力や可能性を伸ばしてもらえ る学校であることを保護者として切に望んでいます。
1.各学校で学区自由化のメリット・デメリットを児童・保護者に説明会をすることは最低限の
義務であると思います。
2.学区選択によって生まれる学校間の格差や風評による学校選択などという問題にどう対
応するのか、最初に指針を示す必要があると思います。
以上の ことが行われないまま、学区自由化が強引にすすめられることに対しては、反対を申
し入れます。
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