浄土真宗本願寺派総長 不二川公勝 様
、 2004年1月19日
真宗遺族会事務局長 菅原龍憲
浄土真宗本願寺派反靖国連帯会議事務局長 木村真昭
備後靖国問題を考える念仏者の会事務局長 小武正教
国立追悼施設に反対する宗教者ネットワーク事務局長山不浄邦
(連緒先FAX0729-78-0850)
貴職におかれれてはますますご清祥にて宗務にご精励のこととお慶び申し上げます。
新年より、首相の靖国参拝への抗議・要請文提出等、ご多忙のことと存じます。
さて、ご承知のように私たちの平和への抗議に反して、政府は「イラク人道復興支援特措法に
基づく対応措置に関する基本計」により、自衛隊をイラクに徐々に派遣しています。
これに対して宗門としてすでに反対の意思を明確にされておられることは、さまざまな報道を
つうじて私たちにも伝わってまいっております。この意思を最後まで貫いていただくことは当然 のことと考えておりますが、加えてこの意思と矛盾すると思われる宗門の制度について、私た ちの要望を申し述べたく存じます。
それは、国家の栄典制度と連動した褒章制度の問題です。政府・与党は5年ほど前から自衛
隊異の公務死に対する栄典制度を整備・強化する考えを明確にし、自衛隊員が今回のイラク 派遣のような任務を「誇りをもって遂行」でさるように、栄典制度を改革しました。
つまり、新たな戦死を園家が贅美するシステムとして栄典制度が機能しはじめているので
す。
一方、宗門の褒章制度は国家の栄典制度と一体化しているため、万が一、自衛隊員に戦
死者がでて国家から叙勲された場合、現状のままでは宗門に所定の申請があれば事務手続 き上の不備がないかぎり宗門の褒章制度に基づいた対応がなされると考えられます。
宗法にほ「宗門若しくは社会に対する功労又は他の模範となる善行に対して、宗則で定める
手続さに従い、褒章を授与される」とあります。これでは宗門が「社会に対する功労又は他の 模範となる善行」として戦死を贅美することになってしまいます。
戦争を賛美した宗門の過去の過ちに学ぶならば、再び宗門が戦死を贅美することとなる現
行の褒章制度を放置しておいていいものでしょうか。
以上の間題点をご理解いただき、早急に現行の褒章制度を改定いたださますよう、強く要望
いたします。
南無阿弥陀仏
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