昨年4月に国会へ上程された「有事関連3法案」が、本質的な議論も不十分なまま、自治体
からの疑問提起に対して説明もされないまま、与党3党と民主党の協議によって可決成立した ことは、議会制民主主義の軽視であり強く抗議する。日本国憲法には「国家緊急権」が規定さ れていない。
憲法は、国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手
段としては放棄しているからである。現に、冷戦構造崩壊後の国際情勢下で、日本が侵略され たり、大規模な武力攻撃を受ける事態はあり得ない−というのが国際常識であることは政府 自身が認めてきたことである。新ガイドライン、周辺事態法、有事法制によって、憲法は崩壊 の危機を迎えた。
有事関連3法と今後上程される「国民保護法制」「米軍支援法」を含めた「有事法制」は、明ら
かに「戦争するための」法体系である。とりわけ、ブッシュ大統領の「先制攻撃防衛的介入」路 線と一体化した有事法体制は、自衛隊のアジア・太平洋地域への全面展開を可能とし、米国 の戦争と一体化する「集団的自衛権行使」に踏み込むもので、憲法違反は明らかである。 有 事法体制によって、日米共同作戦計画実行に踏み込むことは、朝鮮半島・アジア地域の緊張 を高める要因となり、日本の平和と安全を脅かす要因となる。
世界最初の核戦争の犠牲となり、今なお、放射線後障害に苦しむ被爆者が存在する広島
は、有事法制を容認することは出来ない。
また、イラク新法制定を画策する動きに見られる、「自衛隊の海外派遣(派兵)」を常態化す
る企みについても強く反対する。
ヒロシマは、再び被害者になることを拒否する。そして、加害者になることを断固として拒否す
る。
私たちは、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意
し、ここに主権が国民に存することを宣言する。
2003年6月6日
有事立法はイケン(違憲)!広島県市民連絡会
共同代表:実国義範、前田勝章、森瀧春子、湯浅一郎、横原由紀夫
構成団体:平和を考える市民の会(三次)、第九条の会ヒロシマ、ピースリンク広島・呉・岩国、
広島YWCA、中国帰還者連絡会広島支部、広島県日中友好協会青年委員会、
呉YWCA、ピースサイクル広島ネットワーク、 市民運動交流センター福山、
平和と民主主義をめざす全国交歓会広島
連絡先:横原由紀夫
広島市佐伯区五日市中央4−14−1−205
電話:082−923−1207
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