2003,12,9
内閣総理大臣
小泉純一郎様
備後靖国問題を考える念仏者の会
事務局 小武 正教
12月9日の今日、今なお戦闘の続くイラクへ自衛隊を派遣する基本計画を発表されたこは、
我が国の平和憲法を踏みにじるものであり、強く抗議し、撤回を申し入れます。
イラクの国内情勢は、小泉首相みずからが、国会答弁の中でいみじくも自ら述べられたとお
り、「殺すこともあるかもしれない、殺されることがあるかもしれない」ということがまさに日夜起 きている状況であります。発表された基本計画が表しているとおり、今までの自衛隊の派遣の 中で最も重装備となっていることは、「戦闘」が起きることを予想してのものであることは、誰の 眼にもあきらかであります。
もし今の状況で自衛隊をイラクに派兵するなら、「戦争しない」という平和憲法を実質踏みに
じり、6割を超える国内世論に背をむけ、アメリカに服従していくものであり、まさに人間として の自尊心を捨てた姿といわざるをえません。しかし、その外交姿勢が、11月30日にアメリカ復 興支援局の下で働いていた二人の外交官の生命をうばうことになったわけです。しかも、小泉 首相は、その死を賛美し、意志を継承することを強調して、自衛隊を派兵するとは、まさに自ら 死者を作り出し、その死を讃え、利用して戦争を遂行した、戦前の国家神道体制下の靖国思 想そのものを行っているといえます。
イラクに自衛隊を派兵し、アメリカ占領軍の手先となってイラクの人を殺してはなりません。そ
して、自衛隊員が殺されるようなことがあってはなりません。だから、イラク派兵を命じてはなら ないのです。
わたしたち備後・靖国問題を考える念仏者の会は、人間の絶対の平等と尊厳を民族や人種
を超えて認め合うというお釈迦さまの教えを拠り所とするがゆえに、二度と国家が靖国思想で 人々の生命を奪い取る事があってはならないとして活動をつづけてきました。イラクに自衛隊 を派兵するかしないかは、戦後の日本の行く末を決める最も大きな局面です。日本が再び、戦 争をしかたがないと認め、人殺しを実行する国家に成らないために、是非ともイラク派兵の基 本計画を撤回し、決してイラクに自衛隊を派兵されないことを強く求めるものです。
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