「イラクへの自衛隊派兵を許さない!三次市民の集い」
> はじめに
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>> (主催:平和を考える市民の会」)が8日、NO DU プロジェクト
> ヒロシマの森瀧春子さんを御迎えして、旧平和人権センター
> で開催され、市民、自治労三次市職労、広教組、高教組、> 部落解放同盟などのメンバー
60名以上が参加しました。
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> 主催者あいさつ
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> 司会は、北ウィングの井清さん。
> 「今日、森瀧さんは、大阪などにも行かれて 御疲れのところ、わざわざ、来られた。
> 弱いものの立場に立った戦争反対の 運動が必要、というお話が聞けるのではないか」
> と期待を表明。
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> 続いて、市民の会の実国義範さんが、挨拶。
> 「9・11テロから、二年になろうとしているが、 いろんなところで平和運動が始まっている。
> アメリカでは、イラク占領の兵士の家族からも 「息子たちを返せ」という運動が起きている。
> 自衛隊の派兵は、テロ対策特別措置法、> イラク新法と、エスカレートしつつあり、> わたし
たち一人一人が汗を流さないと> 平和はつくれないのではないか。」 とし、 「大変な所、イラク
へ行かれた森滝さん の姿勢を学んで欲しい」 と檄を飛ばしました。
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> 子どもが主人公のはずの学校現場が・・広教組からの報告
> 続いて、広教組のよしなみ地区支部書記長> から報告。
> 「学校現場では、尾道で校長が自殺、さらに 教育次長も亡くなった。学校の先生がにっちも
> さっちも行かない状態になっている」> と告発。
>そして、三次市は> 「学力テストを行ない、5人以下の学級は> 公開しないが、6人以上の学
級は平均点を 公開する」 としています。
> 「それで、本当に学力向上になるのか?」 とよしなみさんは疑問を呈します。
> また、ある学校では、体育祭の練習が、 県教委の視察のために、できなくなったと 言いま
す。
> 「子どもたちが主人公なのガ教育ではないのか。 県の都合で授業日程を変えざるをえない
とは」 と怒りを隠しませんでした。
> また、不納欠損を理由とした市職員への 給与カット問題では、連合に結集して ビラ配りを行
ないました。
> 「おかしいことはおかしいといわねばならない。 小さな1歩でも大きな1歩になる」。 と締めく
くりました。
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> 教え子を戦場に送るな・・・高教組からの報告
> 高教組からはやまずみ地区支部長が報告。
> 「教え子を戦場に送るな」を掲げて活動してきた。 戦争に参加しないよう、自分で判断できる
こどもたちを つくることが大事である。しかし、いまや、競争原理が 大手を振って、学校現
場に入ってきていると告発します。
> 同支部長は、 「安浦や、庄原は障害児の分級が廃止された。 また、高校では定員内不合
格を大量に出し、 高校進学率は広島は昔はトップだったのに いまや33位のていたらくで
ある。
> 一方で、予算がない、ないといいながら、 東広島に、エリート育成のための中高 一貫校を作
っている。」と県教育委員会の歪みを訴えました。
> 「職員会議も月1回になってしまった。 そして、意思決定もことごとくトップダウンになってしま
った。」
> 「ある学校では、軍隊式に「いちに、いちに」 と行進させている。」 と嘆きます。
> 吉岡市政の問題点・・・部落解放同盟からの報告
> 部落解放同盟からは、竹原・三次市議が報告。
> 「吉岡市長は、隣保館として、県や国から 補助金をもらって立てた「平和人権センター」
> を観光や、芸備線電化協議会など、目的外に使用し、補助金の適正な使用ではないと、
> 国からも指導を受けているのに、改めようと しない、」 と指摘。
> また、教育会館を吉岡市長は民間移行 しようとしているが、いかにも性急で、 突然電気を
止めるなどしている、あまりにも 非人道的ではないか、と怒りを隠しませんでした。
> そして、「吉岡市長と決然と対決するしかない」 と檄を飛ばしました。
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> 無法な吉岡市政、労働者に牙剥く・・・市職労からの報告
> 同じ自治労の仲間である、三次市職労からは 竹田副委員長が挨拶。
> 不納欠損を理由とした職員の賃金カットを 一方的に提案した、よし岡市長の無法さを 厳しく
批判しました。
> 「8月8日、市長が突然、時間外に全職員を 呼んで、『不納欠損1635万円は職員の怠慢
> によるものだから、みなさんの協力をお願いしたい』と言い出した。6人が反対の 意見を述
べ、誰も賛成しなかったのに、8月11日、助役は、勝手に『職員は了解した』 として、各会派
に、賃金カット問題を説明した。」
> 「そして、なんと、やっと8月14日になって、 労組に提案してきた。その前に、既成事実とし
て、 当局は、賃金カットを世間に垂れ流した」 と憤懣やる方ありません。
> この不納欠損(税金などの徴収不可能になった 分)自体が「職員がサービス残業で調べた
> ものだ。そもそも、こういうことがどうすれば なくなるかを追求すべきなのに。払って 済む話
しではない」 といいます。
> そして、3回交渉を持ちますが、結局 9月5日、決裂します。
> 「ほとんどの職員はこの暴挙に納得してません。 自治労本部挙げて支援に立ち上がってく
れましたし、
> 連合広島としても支援してくれる」 とし、今後のたたかいへの決意を述べました。
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> 森瀧さんのおはなし
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> 森瀧さんは、 「9.11が迫っているが、テロで肉親をなくした ライアン・アマンドソンさんをこ
の三次の地に 連れてきたのを思い出す。」 と懐かしがりました。
> そして、 「イラクは取り返しのつかない状況になってしまった。 核問題でもアメリカによる核
態勢見直しなど、 緊張が高まっている」 「ライアンさんは、『自分の名において戦争をして欲しく ない』 と主張し、それが導火線ともなって、反戦運動が高まった。 しかし、イラク攻撃は始まっ てしまった」 と無念さをにじませました。
> 「DUについては、広島の人文字メッセージ実行委員会として、 NYタイムズに意見広告を出し
たが、ホワイトハウスもHPで 反論した。」
> 「全く力のないイラクへ、アメリカの最新鋭の兵器で赤子の手をねじるような状況を生み出し
た。そして、一方的に戦闘終結宣言を出した」 とアメリカ政府の姿勢を批判しました。
> 「6月末から7月はじめにかけて最悪の状況だったが イラクへ調査に出かけた。ヒロシマが
とにかく調べる 義務があり、必要があると考えたからだ」 とし、 「DUの使用を認めないというこ とを訴えて行く 必要がある> と強調しました。
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> 「湾岸戦争時には320トンから800トンのDUが 敗走するイラク軍に、「うさぎ狩り」と称して
> 浴びせられたが、そのときのDUの影響で、 バスラを中心にガンがひろがっている。
> イラクはもともと医学水準は世界でも 高いレベルだったが、経済制裁などもあって 患者を見
殺しにせざるを得ない状況だ」 と心を痛めます。
> 今回の調査は、NO DUプロジェクトの代表の 嘉指・神戸大教授も行く予定でしたが、 国家公
務員で、許可が下りず、やむな 森瀧さん一人となりました。
> 現地で土壌や、尿、チリのサンプルをとり、 「DU禁止条約の一助となれば」 といいます。
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> 「戦争をとめられなかった事が 申し訳ない気持だった。現地で病院へ行くごとに緊張した」
> と振り返ります。
> 現地では放射能まみれの戦車で こどもたちが遊んでいる状況もあります。
> DUは、核のゴミから出来ますが、 比重が重く、固いので米軍にとって、 「優秀な兵器」です。
> 微粒子が体に入り込むと、体の中で 半永久的に、放射線を出しつづけます。
> 環境に飛び散った微粒子も、土壌などを汚して行きます。
> 「汚染された地域で、羊が飼われたり、 野菜が栽培されている」 と森瀧さんはこころを痛め
ます。
> 現地での行動については、 「灼熱でクルマが直ぐにだめになってしまう。 ホテルでは、自家
発電をしているが、 夜しか冷房が入らなく、午前中働いて 午後ホテルで休もうとしたが、無理 だった」 と状況の厳しさを振り返ります。
> 「電話も、水道もあらゆるインフラが破壊されている」 のです。
> そして、石油はというと、米英が独占的に 管理しています。
> いまや、米兵への襲撃も日増しに強まり、 アメリカは「多国籍部隊」として、各国に 応援を頼
もうとしていますが、うまく行っていません。
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> ともかくイラクの人々の多くの願いは 「平穏な生活が出来る事」 だといいます。
> もし、「日本の自衛隊が行けば、格好のターゲットになってしまう」 と森滝さんは危惧します。
> 森滝さん自身もイラクではどうしても (戦争に荷担した)「日本」の代表、 と見なされてしまう、
といいます。
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> 続いて、ビデオの上映に入りました。
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> 戦前にはなかった物乞いの多さ。まだ小さいのに乳がんにかかる女の子。
> 片目に血が溜まった少年は「世界に向かって訴えたい。同か僕を助けて欲しい」 と叫んでい
ました。
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> 商店街に放置された戦車。米軍に恃み込んだら10mだけ移動してくれたそうです。
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> 森滝さんたちが、放射線を測定していると人々は、不安そうに「自分も測ってくれ」 というそう
です。
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> また、人々が殺気立っている様子も見うけられました。
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> アル・アリ先生(昨年12月に来広、今年8月にも来広され、筆者もお会いした。)とも再開。
> また、ハッサン先生ともこのときあったそうです。
>
> 現地ではとにかく、イラク政府(フセイン政府)から来ていた医療費もこなくなってしまった。ア
メリカは全然病院に責任を持っていないのです。
>
> 国家公務員もほぼ失業状態。何もかも、全く先の見えない状況です。
>
> 森滝さんは「米軍が撤退し、イラク人による努力で 国造りをしていくしかない」 断言します。
>
> そして、DUの廃絶が、ヒロシマの運動の課題になるだろうとし、「NO DU ヒロシマ・アピール」
> が刊行された。是非活用して欲しい、と訴えました。
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> 最後に司会の伊井清んが、
> 「今も戦争が続いているのだ、ということが 認識できた。本当の悪の枢軸がどこか、明らか
になったのではないか。何ができるか考えて行きたい」 と述べました。
>
> そして、平岡誠さんが「北朝鮮問題などで排外主義煽り、軍事化への道を掃き清めようとして
いる。しかし、反戦・反核の戦いも立ちあがっている。アメリカ・イギリスを撤退させるよう頑張ろ う」 と、締めくくりました。
>
>
> 感想
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> 今回、三次市で、この集会が開かれた事は大変タイムリーだったと感じます。
>
> 教育の矛盾の噴出。吉岡市長の暴挙がここまで来た状況。一方で、案外、吉岡市長の問題
点が知られていない状況もあります。
>
> このイラクの実情についても、知られなければ、ここまで反戦運動が盛り上がる事はなかっ
たでしょう。
>
> 月並みですが、情報の交流と連帯こそ、大事だと改めて認識しました。
>
> それにしても、DUでも、吉岡市長の問題でも、「おかしいことはおかしい」と言っていくことが
> 大事だと思います。
>
> そのことが、イラクの人の命も、また、私たち自身の暮らしも守って行く事になるのではない
でしょうか。
(文責 さとう しゅういち)
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