2003年　　　６月９日

  　　　　　　　　　　　　　 備後靖国問題を考える念仏者の会

  ６月６日、日本が戦争出来る国にする法体系・有事関連三法案が国会において成立しまし
た。このことによって法案が発動されれば、国は、私たち国民に、思想信条・信仰を制限して
「有事（戦争）」の協力を強制する、従わない時は懲役・罰金を課すということが現実となる事態
となったことに強く抗議いたします。

　

　私たちは日本政府が有事法案成立のために、隣国・朝鮮民主主義人民共和国の脅威をこと
さらに煽り、拉致事件を最大限利用してきたことに対して大きな憤りを憶えています。そして、
一方で日本政府の姿勢は、イラク戦争に見られるように、どのような滅茶苦茶な理屈を付けて
でも世界を支配していくという、アメリカの帝国主義的政策に従うことで、その利益の配分にあ
ずかろうという卑屈なものであり、まさに人間としての自主性も尊厳も放棄した非仏教的な姿で
あり、断じて認めるわけにはいきません。

　

　お釈迦さまの御教えは、「どのような理由があろうとも、殺してはならない、殺されてはならな
い、人に命じて殺させてはならない」というものであります。私たち念仏者も、その教えに生きる
が故に、仏教徒であります。

　

　もちろん「戦争」という手段を、日本の政策の選択枝に入れたことは、憲法の上からいっても
第九条を実質破棄するだけではなく、どのように付帯条項をつけようとも、人間の基本的人
権、人間の尊厳を侵すものであります。

　

　私たちは、たとえ「法律できまりましたから」と戦争協力を強制されても、念仏者としての自ら
の信仰の上から、その命令を「拒否」し、従わないことをここに宣言します。

　そして今、有事法案が成立しても、「有事法案を認めない、従わない」という人々の輪を広
げ、法案の発動をくい止めていくための活動をこれから続けて行きます。そして政治日程にあ
げられている「憲法第九条の改悪」の阻止に向けて力全を注いでいくことを誓うものです。